アーユルヴェーダ
アーユルヴェーダとは、生命に何が必要で、何が不必要なのか。
幸福な人生と不幸な人生とは何かを追求する生命の科学。
日本では、リラクゼーションという認知が高いアーユルヴェーダですが、
本来は、人生全体を通し述解する学問です。
●アーユル(Ayur):生命の、長寿の
●ヴェーダ(Veda):知識、科学
■起源
アーユルヴェーダの起源は、紀元前3,000年頃に存在したリグヴェーダと紀元前1,500年頃に存在したアタルヴァヴェーダになります。
リグヴェーダでは自然科学、病理学、治療法が記載されており、一方、アタルヴァヴェーダでは自然科学、診療8科目、長寿法、強精法などが記載されています。
長い歴史の中でアーユルヴェーダは最先端科学などの融合により、医学的知識や臨床試験についての方法論なども加わっていき、時間をかけて現代の形のアーユルヴェーダが構成されていきました。
■発展
紀元前1500年頃、八診療科目が整備され、二つの医学校(Atreyaの内科学とDhanvantariの外科学)が存立しほぼ現在の形に体系化されました。
■特徴
アーユルヴェーダは、全身を対象とします。
身体も自然と同じと考えて、1つとして同じものはなく全てパーソナルの個別に対応するという特徴があります。
病気の患部だけ治すことを目的とせず、病気の原因自体を治すことを目的としています。
具体的には、治療8部門が存在し、各々の方法論を上手に組み合わせることで病気の根幹にアプローチしていきます。
【治療医学】
内科学(カーヤ・チキッツァー)
小児科学(バーラ・タントラ)
精神科学=鬼人学(ブーダ・ヴィディヤー)
耳鼻咽喉科および眼科学(シャーラーキャ・タントラ)
外科学(シャーリャ・チキッツァー)
毒物学(アガダ・タントラ)
【予防医学】
老年医学=不老長寿法(ラサーヤナ)若返り
強精法(ヴァジーカラナ)
アーユルヴェーダは、現代医療も取り入れていることから、ハイブリット医療とも呼ばれることがあります。
アーユルヴェーダと世界三大伝統医療
伝統医学では生命を「肉体・感覚・精神・魂との融合」と捉えます。
健康とは「身体的・知的・社会的・論理的・精神的に調和の取れた状態で幸福である」と定義しています。
世界3大医療学には、中学医療・インド医学(アーユルヴェーダ)。ユナニー医学(グレコアラブ)があります。
これらの伝統医学では、病気の因果関係を主として自然的病因に帰しています。
なかでも、インド医学(アーユルヴェーダ)は、寿命を意味する複合語であることから、
「生命の科学」と翻訳されます。
アーユルヴェーダは、単に病気を治すだけでなく、
生命そして人生にとって、何が必要で不必要なのか。
どうしたら幸福な人生なのか。
生き方までも追及していくので、もう一度自分らしく生きたい。人生を変えたい。そう思う方のオアシスとなっており、今後日本での需要と発展を感じるものでもあります。
アーユルヴェーダと西洋医学の違い
西洋医学は、病気になった状態から治療がはじまります。
診る場所も病気になった幹部や部位。
たとえば熱が出たら熱冷まし薬を処方します。
一方アーユルヴェーダは、健康的な身体の状態を基準とします
健康な状態はどのように維持されているのか、どのような生活を行っていけば病気にならないのか、といった観点から考えます。
診る場所はその人そのもの。
体全体は特有な機能を持ち、部分の寄せ集めでは生命現象を説明できないと考えます。アーユルヴェーダは、心身や生活態度、環境などのすべての要素の調和が健康維持に必要だという考え方を持っています。
予防と治療
アーユルヴェーダは、健康な状態に施すことは、病気にならないように(予防)
病気の状態は、健康になるように・さらに良くなるように(治療)にと考えます。
心身の良好なバランスに維持していくために、アーユルヴェーダの知恵を使います。
病気治療には、パンチャカルマ(浄化法、若返り)を行うことがあります。
この後に紹介する3つの「ドーシャ」のバランスを整える緩和法と浄化療法です。
理想的で健康な心身
病気にならないようにするために、食事法、正しい生活習慣、ハーブやオイル、ヨガの実践を行っていきます。
そして何より、メンタリティの安定も重要です。
それらの療法によって、免疫機能や自己治癒力を増強させ、病原菌や病魔に負けない体づくりが可能となり、健康で若々しくいられるようになります。
プラクリティとヴィクティ
その人がもともと備え持った「個人差=本質」のことを表します。プラクリティは基本的には生まれてから生涯を終えるまで変わりません。
本質をプラス面とマイナス面もあり、それが病気として現れることもあります。
これを利用し、個人差のある病気の治療に役立てていきます。
現在の体質(ヴィクリティ)と言います。
プラクリティは、受精の瞬間に決まり、生まれてから死ぬまで変わらないその人の不変体質。
ヴィクティは環境やライフスタイルの影響に応じて変化し生涯変わる体質。
プラクリティとヴィクリティは、体の中のアーユルヴェーダの生命エネルギーであるドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)が、どんな割合で存在しているかということで、
現在の体質(ヴィクリティ)をみて、不調がある場合はそれがどうして起こっているのか
を知ることから始まります。
3つのうち、どれかのドーシャが増えて不調が起こるので、ヴィクリティを判断することによって、各自のドーシャの状態を的確に判断し、増えてしまったドーシャを減らしていくことが不調の改善につながるという事になります。
バランスを調える生活を送ることで、健康的な心身で人生を築いていけるという考えです。
体質の向上
体質に応じて性格や病気や心の具合が分かるため、自分の体質に合った食物や運動、生活習慣などによる健康管理をアーユルヴェーダでは推奨しています。
精神の質の向上
メンタリティバランスを整えていく場合、トリグナ理論を用いります。
精神の安定(サットヴァ)・不安定(ラジャス)・無気力(タマス)を規定します。
ヨガや社会貢献、日々のケアにより、ラジャスとタマスを下げ、サットヴァに繋げていくことが出来る。という、意識と行動の仕方になります。
■トリドーシャ理論
わたしの体の柱になり体の中の動きと性質です。 ドーシャは不純なものという意味なのですが、それがわたし達の身体に入ってくるとバラ ンスを崩してしまいます。バランスが良ければ病気になりにくいです。 どんな存在か解説します。
■Vata→空・風
働き:わたし達の中で、動きのあるエネルギーです。
部位:おへそから下
性質:乾き(この性質によって体が軽く感じます)、冷たい、荒さ、
動き:小さいところからも入り込める(脳に情報伝達が出来るので小さいと表現する、
感覚器官に入っていくと理解してください。)
多:肌の乾き、痩せがち、鈍感、物忘れ、話し方が遅くなり鈍くなる
少:動きが鈍くなる
季節:雨季に増えやすい
時代:老年期に増えやすい
■Pitta→火・水
働き:わたし達の身体を温めたり熱くするものです。
部位:胸からおへそ
性質:滑りやすい、熱い、軽い、臭い(悪い匂い)
動き:小さいところにまで入り込める、水が流れていく様な動きで流動性がある(消化活動の促進)
多:お腹が空きやすい、汗をかきやすい、怒りやすい
少:お腹が空かない、消化がうまくいかない、血液が生成されにくい
季節:秋の季節に増えやすい
時代:10 代の時に増えやすい
■Kapha→水・地(地球)
働き:わたし達の身体を組み立て養分を届けるものです
部位:胸から上
性質:オイルの様にすべすべしていて滑りやすい、涼しい、静か、重い、やわらかくて透明でゼリーの様
動き:やめる、ゆっくりする、動かない
多:体重が増える、やる気が起きない、怠けがち
少:体重が減る、エネルギーが生まれない
季節:春の季節に増えやすい
時代:子供のころに増えやすい
※3 つのドーシャは季節によっても変わります
※2 つのバランスの中で、どちらかが増えてどちらかが減り、「今はこういう状態だ」と考えていきます。
この3つのドーシャは、全ての人に宿っていて、それぞれの働きで生命を支えています。ドーシャのバランスは人それぞれ違い、それが個性でありその人の体質です。
ドーシャのバランスは常に同じではなく、日々変化するものです。ドーシャバランスが本来の自分の状態から崩れて増えすぎると不調となります。
アーユルヴェーダ治療の種類
アーユルヴェーダの治療には大きく分けて2つがあります。
1つは増大した病因要素〔ドーシャ、アーマ(未消化物)、マラの要素〕を排泄、浄化する減弱療法(排出療法)
残りの1つがドーシャのバランスを食事、薬、調気法や行動により元に戻す緩和療法(鎮静療法)です。
減弱療法ではパンチャカルマと呼ばれる経鼻法、催吐法、瀉下法、浣腸、発汗法からなる浄化療法で行います。これが様々な病気の根本療法であるとされています。
アロマとハーブとスパイス
アロマの香りによってリラックスすることから筋肉がゆるんでいきます。
アロマテラピーでは、植物から採取される精油(エッセンシャルオイル)を使った「芳香療法」を用いります。
心身のトラブルを穏やかに回復し、健康や美容に役立てていく自然療法と定義されています。
植物がもっている香りを、心身の癒やしに役立てようという考え方は、古代エジプトの壁画に香油の壺や香炉が描かれるように、数千年前からあり、
クレオパトラも香油の力を使い生活に役立てていたという歴史が残っています。
アロマテラピーは日本語では芳香療法と訳されます。
植物の花、葉、茎、根、樹皮などから水蒸気蒸留で抽出した精油を用いる方法が一般的です。。
香りが人間の嗅覚を通して脳に働きかける作用やトリートメントによって皮膚に吸収される作用により、人間の自然治癒力を高め、疲れた心身を癒してくれます。
薬草ハーブは、殺菌効果や免疫力を高める効果、また、敏感な神経を和らげる効果もあり、イライラを抑えたり、よく眠れるようになったり、生理痛などにも効果的なものがあります。
アーユルヴェーダでは薬として使う事が多くあります。ハーブには、薬の元になっているものも多くあり、例えばインフルエンザの際に飲む「タミフル」は「八角」というハーブが原料となっていますし、痛み止めの原料や、PMSを直す薬として用いられるハーブもあります。
効果がやわらかく、体への作用が穏やかで、日々の暮らしの中安心して使い簡単に取り入れられるものでもあります。一点集中ではなく全身に作用することにつながります。多くの成分がバランスよく働くからです。
香辛料スパイスとハーブに大別されます。スパイスはハーブの一種だという事になります。食品に特別な風味を与えることを目的とし、比較的少量使用される種々の植物の風味または芳香性の葉、茎、樹皮、根、根茎、花、蕾、種子、果実、又は果皮等を指す。
特にアーユルヴェーダでは、ほとんどの薬に色々な種類のスパイスが使われます。
スパイスには治癒力が詰まっているため、薬としてスパイスだけで使用することも重要とされているのも大きな特徴です。
アロマは心に働きかけ、ハーブは心身に働きかけると考えれば、バランスよく取り入れることで、心身のバランスを保つディナチャリアの実践に繋がっていきます。
アーユルヴェーダとヨガ
ヨガは呼吸法・瞑想法などで自分と向き合う「心」へのアプローチしていくのに対し、アーユルヴェーダは食生活や治療法などの「肉体・精神」の面からアプローチをします。 この2つは、姉妹化学とも言われていて、古代インドで生まれ、両者共に古代バラモン教の経典「ヴェーダ」をルーツに持つ、ヨガとアーユルヴェーダ。どちらも心身の調和を目的としています。
同じ世界に役割違いで存在し、共存する考え方だと言えます。ヨガとアーユルヴェーダの両方で心身の調和を目指します。
アーユルヴェーダ:約5000年前からインドで継承されている、世界三大伝統医学の1つです。アーユルヴェーダでは、人間の体は「ドーシャ」と呼ばれる生命エネルギーで構成されており、自分自身のドーシャの状態を知り、バランスを整えることで心身ともに健康を維持できると言われています。体の不調を感じた場合は、食事法やアビヤンガと呼ばれるマッサージなどの健康法で、ドーシャの状態を整えます。
ヨガ:起源は約4500年前のインドにあり、体、心、魂を神(あるいは宇宙)に結びつける修行法として誕生しました。ヨガとは、サンスクリット語で「つながり」を意味する言葉。最も古いヨガの聖典「ヨガスートラ」には、「ヨガとは心の作用の止滅である」と記されており、ヨガのさまざまなポーズを通じて、心を安定した状態に保つというのが目的です。ヨガの基本は、調身(ポーズ)・調息(呼吸)・調心(瞑想)の3つから構成されており、これらを組み合わせたさまざまな種類のヨガが存在します。
ネパールとアーユルヴェーダの繋がりと歴史
~ネパールヒマラヤで採れる良質で貴重なハーブのほとんどがアーユルヴェーダで使われます~
アーユルヴェーダの医学は古代のものであり、
それに関連するするテキストは約3600年前に作られたと考えられています。
アーユルヴェーダ治療システムは、ネパールを含む南アジアのすべての国で流行していま
す。
1945年のネパールでは現代医学に基づく治療システムが導入される前は
アーユルヴェーダが唯一の治療システムでした。
医薬品の製造にはハーブだけでなく、ミネラルを含む有機物や化学物質が使われています。
アーユルヴェーダ医学建設に使用される材料の品質と組み合わせを維持する作業は
非常に困難でした。
ネパールアーユルヴェーダでは、ハーブの保存作業さえ、地理的な多様性により、挑戦的に向き合っていると言われています。
ネパールには非常に貴重で多くのハーブがあり、これらのハーブを適切に使用して作られ
た医学品が人々の健康を高めることに役立っている事と同時に、信頼の核心における多く
の根拠があります。
ネパールのハーブは大変貴重なものです。
アーユルヴェーダ治療で使われる多くのハーブやその他の重要な原料は
アーユルヴェーダの経典(singhdarbar Vaidyakhana)にも記載をされており、今後も追記され
ていく予定です。
【可能性】オプティカル
アーユルヴェーダの科学は、創造の始まりからマハリシブラマフの自然観察、熟考などから
生まれたもので、宇宙全ての生き物の健康を守るものです。
病気から守り、健康的な生活を送るための手段として有益な、食事・薬・善行を示していま
すが、その主な役割を担うものがハーブ(地球で生まれた命あるもの)です。
ヴェーダの時代から薬の性質や作用、体への反応や効果などを研究しまとめてきました。
古い伝統医学ですが、現在は様々な医学や化学で証明されてきています。
ネパールの様々1000 種類を超えるハーブなどは、輸入され様々な医薬品成分として使用さ
れています。
■ヴェーダの時代
アーリヤ人の自然崇拝の伝承を集約した聖典をヴェーダといい、それが作られていた時代
(前 1500 年から前 500 年頃まで)をヴェーダ時代といいます。
(※前1500年頃、北西部からインダス流域に侵入した印欧語族の一派。
前1000年頃、ガンジス流域に進出した。 前1500年頃、原住地のコーカサス地方からイラン、
アフガニスタンを経て、カイバル峠を越えてインドの西北、インダス川流域のパンジャーブ地方に入り、
さらにガンジス川流域に広がった征服民族。)
アーリヤ人は自然現象に神秘的な力を認める信仰を持ち、天・地・火・太陽・風雨・雷・川
などを神として崇拝する多神教でした。
彼らの有する最古の聖典を「ヴェーダ」(本来「聖なる知識」を意味する)と言い、リグ、
サーマ、ヤジュル、アタルヴァの四集から成っていました。
その中でも最も古いものがリグ=ヴェーダです。
リグ=ヴェーダ、サーマ=ヴェーダ、ヤジュル=ヴェーダはいずれも神々の
伝承であり、アタルヴァ=ヴェーダは「呪術」を伝えています。
リグ=ヴェーダはアーリヤ人がインダス流域に移住した前1500年ごろより後の、
前1200~前1000年頃に編纂され、他の三ヴェーダはガンジス川流域に移住した
前1000年~前500年頃に作られたとされている。)
ネパール政府保健人口省
シンダーバー・バイディヤーハ―ナ開発委員会発行
singhdarbar Vaidyakhana 参照
アーユルヴェーダ
ハーブ一覧
簡単に手軽に食事や生活に取り入れていただくために、心に届けるハーブの解説をします。
ハーブティはメンタリティを整えるために取り入れやすい手軽な天然サプリメント。とも言われています。
アーユルヴェーダでは、舌で感じる食べ物の味を6つの味(甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味)に分け、これらを「ラサ」と呼びます。それぞれの味には体を温めたり冷やしたりするエネルギーがあります。
ハーブにはそれらが豊富に含まれています。
ラサは感情にも影響し、わたし達をリラックスさせたり、パワーで満たしてくれたりするので、生活のバランス、人生の選択のタイミングにも良きサポートをするために、
わたし達のエネルギーを整えてくれる、沢山のそれらのエネルギーが豊富に詰まった天然素材です。
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